Thursday, June 11, 2015

【不動産】 マンション買います


唐突ですが、マンション買いました。


きっかけは、景気動向のニュースを見たことでした。
趣味の一貫で過去に日本の財務三票分析をしたこともある中、日本が財政再生するには徹底的なインフレ政策しかないなと個人的にも思っており、阿部政権下で円の価値は間違いなく下がり、今の圧倒的低金利も上昇に向かうなとは考えていました。
そんな中、個人バランスシートのアセットサイドは今後価値の下がる円から、相対的には価値が維持される現物に変え、右側は現在の低金利状況下にて借入金を抱え込む必要性を強く感じていました。
円の価値は政策動向により大きく影響を受けますが、不動産の価値は相対的には変わらないはずですし、その一方でインフレ・利上げ局面では借入金の価値はどんどん薄まりますし、金利も固定してしまえば尚ベターということですね。

他方で自宅の購入には当初抵抗感があり、最初に検討したのは収益不動産でした。
自宅の購入に抵抗感があったのは、
・ 賃貸では、会社の社宅契約を使えばかなりの節税メリットが獲得出来ること
・ 家の場所が基本的には固定され、自分のキャリアなど本来主体的に判断すべきことに、一定の影響を与えてしまう
・ 子供が出来た時に手狭になるリスクがある
・ 自分が少し飽きっぽいことを前提に、賃貸だと飽きても引っ越しやすい
などの理由からでした。
よって、収益不動産で1~2億円ぐらいの物件を複数仕入れ、そこからのインカムゲインを元手に賃貸生活をエンジョイするのが美味しいかなと考えたという訳です。
これなら将来も不労所得を生んでくれるのでは、という期待もありました。


でも結論から言うと、収益不動産はてんでダメでした。


収益動産のゲームは、極めてシンプルな議論に纏めてしまうと、
・ 都会の物件なら利回りが低くて地方の物件なら利回りが高い
・ RC/鉄骨/木造などでローン年限などの条件が変わる
・ ローンがどれだけ付けられるかで必要自己資金額が大きく変わるため、銀行受けする物件であることが重要
・ 築年数や建物の管理状態によっては修繕費用などもかかる可能性がある
・ 重要指標である空室率は立地によってかなり規定される
みたいなゲームのルールだと整理出来ました。
そんな中、千葉の蘇我駅から徒歩2分の築5~10年の綺麗な物件で利回り7%の物件があり、それにフルローン(額面全額にローンが付くこと)が28年の金利1.5%で付くという出物がありました。
当初、これなら絶対にキャッシュフローはプラスになると確信(盲信)していました。
しかし、実際にPEファンドで習得した(!)エクセルモデルを回してみると、それでもキャッシュフローが全然回らないことが分かりました。
何と1.5~2億円も放り込んで、キャッシュフローは年間50万円ぐらいで、金利支払いが減る(元金利均等の場合、時間の経過とともに金利が減り、元本返済が増える)5年目以降ぐらいはキャッシュフローはマイナスになり得る状況。
老後の所得源とまで期待していたので、「何でや!」と混乱しました。
落ち着いて考えると、理由は大きく3つあり、鉄骨造でローン年限が28年しか付かずに返済ペースが速いこと、建物代がそこまででもないことから減価償却費がそこまで取れず税前利益いが大きくなってしまうこと、プラス自分の本業収入が一定程度あることから上記の税前利益に多額の税金がかかってしまうこと、と分かりました。
で、インカムゲイン期待が無いとなると、キャピタルゲイン勝負にならざるを得なくなります。
そう考えた際、本件を買うかどうかは、「本当に蘇我駅徒歩2分物件の資産価値は今後上がる/維持されるのか」という問題になります。

<蘇我駅前。決して小さい駅ではないのですが、、、>

短期の居住ニーズの積み上げで凌げるインカムゲインはまだしも、キャピタルゲインとなると長期のビューが必要となる投資であり、そうなるとその駅や場所がどんな場所か、かなりの土地勘が無いと判断出来ないということになってしまいます。
蘇我駅。。。
まあ小さい駅ではないのですが、そこに住む人の属性のイメージも湧かず、駅の評判なども分かりません。
聞くと、東京に蘇我から通う人は多くなく、千葉に通う人が多く住んでいる良い駅、とのことらしいのですが、僕の中では千葉自体が東京のベッドタウンというイメージしかないので、千葉に通う人が住む駅と言われても、、、という感じでした、正直。
結局、蘇我駅の築浅不動産物件が数年後に価格上昇/維持しているイメージが全然湧かず、本投資は見送りとなりました。



でも、この投資の検討プロセスが家を買おうと決心するのに繋がる大きな一歩になったことは間違いありません。
それは以下の3点の理由です。
① 固定金利の実現
最初に述べた理由から、出来るだけ固定金利でローンを付けたい気持ちがありました。
他方、収益不動産では投資用ローンとなってしまい、固定金利の実現は難しい状況です。
金利上昇局面になった時に、自分の保有資産よりかなり大きなサイズのローンを抱え、かつ流動性が不透明な少し郊外の物件を抱えている、というのは精神健康上良くないな、と強く実感しました。
その点、住宅であればフラット35や銀行の固定金利ローンなどで理想を実現出来るな、というのは本プロセスを経たことでの気付きでした。
② 不動産価格の動向
蘇我は改めて考えてもやっぱり郊外です。
インフレになると不動産の額面価値はそれ見合いで上がるのですが、それは全国一律に上がる訳ではなく、お金が集中するところから上がっていくに決まっており、それはやはり蘇我ではなく東京、それも東京中心部であろうと実感しました。
収益不動産で東京中心部を買うのは実質的に不可能です。
価格が高すぎるし、収益率が低すぎてフルローンの条件ではキャッシュフローがマイナスになるのが分かり切っているからです。
要するに金持ちじゃないと参加出来ないゲームということですね。
でもマイホームという形なら検討が十分出来るという点に一周回ったことで気が付きました。
③ エモーショナルな点
実はこれが非常に大事だと思ってるのですが、収益不動産の検討を行っているプロセスのどの地点でもあまりワクワクする部分が無かったということです。
勝っても自分が住むわけじゃないという点もありますし、やはり郊外物件を中心に見ていてもワクワクする部分は少なかったです。
それが、やはり自分が住むとなると話が全然違う訳です、はい。
大きな買い物を自分が全力挙げて納得するまで考える、そのやり甲斐みたいなものを求めていた部分も多分にある中で、自宅であれば俄然やる気が出ることに気付いたのも、これも収益不動産の検討、改め蘇我の検討のおかげです。

と、こんな経験を踏まえ、今年の3月頃に自宅を買おうと決めました。
ここから、どんな検討をしたかはまた別記事で書きます。