アルゼンチンで開かれる来年7月のコパ・アメリカで、日本代表がアルゼンチンと同組になったというニュースが流れた。
コパ・アメリカに日本代表が出るということすら知らなかったので、結構な驚きだった。
前提として申し上げておくが、僕はそこまで日本代表ファンではなかった。
非常にヨーロッパサッカーが好きなので、ブラジルやイタリアなど好チームと日本が、W杯においてノックアウト式の対戦を行ったら、日本じゃない方を応援してしまう気もする。
そんな世間的に言うと天邪鬼なポジションを取っておきながら、いざ南アW杯を見たら自分のナショナリティが相当に刺激され、強く応援してしまったのは事実である。
まあ客観的に言うと、サッカーファン的に許せなかった日本代表のただのミーハー的な人気が翳ってきたことに加え、単純に日本代表のサッカーの質がそもそも上がったことで、日本代表を今まで敬遠してきた僕の中のThresholdを越えたというところだろう。
これからは一定程度日本代表も注目していきたいと今は思っている。

そんな日本代表のコパ・アメリカ参戦だが、どうなんだろう。
実際アルゼンチンには今年勝利しているし、やれる気もするし、大敗しかねない気もする。
気になるのは、日本代表の中期的ビジョンに来年1月のアジアカップとコパ・アメリカがどう乗っかってくるのかという点である。
アジアカップは勝利すればブラジルで2013年に行われるコンフェデ杯への参戦権も得られる非常に重要な戦いである。
そして、コパ・アメリカは少なくとも多くのチームが日本と同等もしくは日本より強い国なのだ。
それらを考えた時、そういった重要な大会に理想を求めて戦うのか(日本は攻撃的なサッカーを志向すると豪語している点は重要)、それとも理想を捨てて現実的な戦いをするのかという点は、少なくともはっきりとポジションを取ってほしい。
W杯後、8月に監督選びをしていた際、サッカー連盟は攻撃的に勝利するという非常に高い理想を掲げて監督を選んだという。
これにはアジアカップやコパ・アメリカという重要な大会が半年・一年以内にやってくることが前提としてどの程度織り込まれていたのか甚だ疑問である。
守備のブロックに比べ、攻撃の連動性や組み立ては生み出すのに時間がかかる。
(攻撃の連動性を作れている国なんて、そもそもスペインとか一部の限られた国のみだが、そのスペインなんかはバルサでいつもプレーしている選手を基礎に作ったチームだから可能。)
W杯も守備を固めてのカウンターで勝利した日本が、攻撃サッカーで両大会を勝ち抜けるとはやはり思えない。
本当に必要だったのは、日本としてある意味両大会を捨てる覚悟で理想のサッカーを目指しに行くのか、それとも現実路線を煮詰める形で両大会における好成績を目指すのか、その辺に関するトップの強い姿勢だと思う。
僕は正直、日本に本当に合っているのは後者だと今でも思っている。
そして、短期的にチームに組織をもたらせるプロの様な監督(例えばカペッロとかモリーニョとかが典型)が、就任後すぐに重要な大会が続く日本にとってベストだったと思う。
まあ、そんなことを嘆いても賽は投げられているのだから、仕方がない。
とは言え、きっと日本代表は両大会において現実的に、守備的に振舞うことになると思う。
なぜなら、選手達に勝つことのプライドがW杯で目覚めていると思うから。
あのW杯において、選手達は自分達で守備的に振舞って、その結果勝つことの喜びを味わい、それを徹底したのだ。
勝つことの喜びを自分達で見出した選手達が勝てないけど理想を追う、という選択肢を取ると思えない。
そんな日本代表が両大会で良い成績を出すことを祈っております。
最近応援を始めた新井より。
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