Monday, November 29, 2010

【趣味】 フルマラソン出場

昨日28日にフルマラソンに出場した。
それが余りに刺激的な体験になったので記したい。

出場したつくばマラソン自体、基本的にフラットなコースで、当日の天気も寒くも暑くもないというベストコンディションだった。
自分自身、こんなに気持ちよく走れるのかと思うほど当日の体調が良く、折り返し地点の21kmまではほぼ疲れも感じることなくスイスイと進む。
その時のNet Time(スタート地点までのぞろぞろ歩く時間を省く)は1:43であり、初出場にして3:30切りが出来るのではなんて色気を感じていた。
(5kmを24~5分程度の高スピードでも全然しんどくなかった)

(↑こんな写真を撮れるほど余裕ぶっこいていた)

しかし、25kmを過ぎた頃から雲行きが怪しくなる。
前半には全く感じなかった足の疲れを感じてきたのだ。
最初は足のどの箇所か分からなかったが、次第に両足の足首、ふくらはぎ、もも裏、もも外側だと認識。

ピンポイントで記憶しているが、28kmを過ぎた頃からは完全に別世界に突入。
前半では5kmがけっこうあっと言う間に過ぎたのに、その頃になると1kmが超長く感じる。
35kmの給水時に初めて足を止めてストレッチした時にはびっくりした。
何せ、ストレッチで足を伸ばそうとすると、そのまま3箇所同時に吊りそうになった。
怖くなりそれ以上ストレッチせずに走り出したものの、そこからの8kmは痛む足と戦い、吊る恐怖に怯えながら、1歩ずつ進んでいることをしっかり味わいながら進む感じ。

スタート地である筑波大学構内に入って一瞬安堵感に包まれるものの、そこからがまた長い。
4km。
スタート時には何でもない4kmが地獄の様に長い。
恐怖が起きたのは残り3km時点。
右足ふくらはぎが走りながら完全に吊った。
急いで道を逸れて足を伸ばそうとしたら、両足の他の箇所5箇所が全部吊りそうになって、もう泣きそうになり、足を伸ばすのは諦める。
超痛む足を引きずりながら「あと3km、あと3km」と言いながら走る。

28km地点頃からは「もう投げ出したい」「僕にワープが使えて一気に5km飛ばせたらな」「歩けば楽かな」なんて一分間に何十回考えたか分からない。
でもその一方で「こんなのを投げ出していたら僕の人生何が起きても投げ出す人生になる」と思いながら自分の足を前に進めることの繰り返し。

気付けば吊ってしまい激痛を産んだ足も、慣れからか、もしくは残り2km1kmと迫るゴールへの期待感からか余り感じず。
そして最後のトラックに突入。
周りのランナーはラストスパートをかけているが、自分にはそんな余裕なんか全くないが、ビュンビュン抜かされていくことも全く気にならない。
大きなゴールゲートが近づいてくる。
ゴール。
タイムを見ると3時間52分を指している。(Gross Time。Net Timeだと-6分。)

4時間を切った。
目標としていた4時間を初めてのマラソンで切った。
なのに、ゴールに着いた瞬間はあまり達成感がなかったのが気持ち悪い。
が、何より足元がふらふらで寝転がれる芝生にでも横にならないと立ってることだけで精一杯なため、達成感に頭がまわらないw


ゴール直後から暫く、誘導員に誘導されるがままに歩かされ、身に付けた記録チップを返却し、完走記録証をもらう。
そして芝生に横になる。
本当に気持ちのよい日で、少々冷えた空気が火照りきった体に気持ちよく、空晴天。
何故か不意に涙が出てきて、次第に止まらなくなり、そして号泣した。

東大合格した時、サークル卒業の時、会社が潰れた時など、今まで色々自分喜怒哀楽を感じるいろんな局面に出くわしたが、ここまで泣いたことはなかった。
最初は4時間切った達成感のためかと思ったが、涙の質が明らかにそれではなく、何ゆえに出てくる涙か分からなかった。
しかし、次第にこれは生きていることの涙なんだと分かってきた。
自分自身、今まで色々頑張って生きてきたつもりだったが、ここまで自分を追い込んだことはなかったんだなと。
本当に自分を追い込んで、それを自分が乗り越え、ようやく落ち着ける場所に帰った時にようやく感じられる「自分は今生きているんだ」ということに対する感謝。
それが胸を突いて、自分に涙を流させたんだと理解できた。
(周りにそんな泣いている人はいなかったが、全然恥ずかしくなかった。)



そこから一日経った今、全身筋肉痛で、マラソンなんて暫くいいやと思っている。
「生きていることの充実感って何やねん」、「何で泣いとってん」って自嘲なんかしながら、会社内で4時間切りを果たしたことを自慢している。
やはりあの一瞬で感じた生きている感は期限付きであり、本当にあの一瞬しか味わえないものだったんだろうって思う。

応援する側、客観的に見る側でなく、自分で真剣にプレーして初めて得られる喜び、達成感、それを得た今自分の世界は一歩深まったと確信している。
それを求めてきっとマラソンは今後も続けるだろう。(暫くはいいが。)
ただマラソン以外でも、自分自身をもっと追い込め真剣になれるきっかけをマラソンはくれたと思う。
今後における自分の進化に自分自身注目したいと思う。

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