Tuesday, January 25, 2011

【政治経済】 施政方針演説・財政演説がひどい


昨日午後、菅総理の施政方針演説および野田財務相の財政演説があったが、それらが期待外れだったことについて言及したい。
あまりまとまっていないのだが、ポイント形式で挙げたい。


①安易な増税論に流れている
野田大臣は財政演説で「国債発行に過度に依存した財政運営はもはや困難」と言っているが、それは誰の目にも明らかで、そのために「プライマリバランスを20年度までに黒字化する」と言っているのも当たり前のことである。
ただ、だからと言ってあまりにも増税論を前へ押し出すのは違うと思う。
網羅的に考えると、プライマリバランスを良化させるには、収入を増やすこととコスト(歳出)を減らす2つのアプローチがあり、収入を増やすこと自体も、増税することと、成長により増収することに分けられるはずである。
それらを全部ちゃんと検討しているようには全く見えないまま、増税のごり押しをするのにはネガティブにならざるを得ない。
本来であれば、歳出削減と成長による増収を徹底的に考え、不足分について増税というオプションになるべきである。
特に増税により成長が押し下げられる可能性があることも注意が必要である。

②成長に対する意欲の非提示
施政方針演説内にて、「開国を成長と雇用につなげる新成長戦略の実践」という言葉が挙げられ、一応成長に対する言及がなされた。
しかし、そんなものただただ「日本の成長は外需に依存します」と宣言している様なもので、何て弱いのだろうという印象。
開国した上で、どうやったら日本の産業が外国勢と戦ってゆけるのか、クリアなビューを提示すべき。

③そもそも成長を信じていると思えない
①でも述べたが、成長により法人税・所得税は増えるはずであるが、それについては全く触れていない。
それを織り込み、歳出カットをした上でどれくらいまだプライマリバランスが赤なのかという分析をちゃんとやり、国民に提示するべきである。
そうでないと増税を持ち出されても納得感は持てない。
それなのに、成長による収入増効果について全く触れない、織り込んでいないのは、発表側が成長を信じていないからに他ならないと思う。

④全世代対応型保障が意味不明
施政方針演説内にて「高齢者をしっかり守りながら若者世代への支援も強化する全世代対応型保障」がうたわれた。
これは何を伝えたいのか全く分からないただの美辞麗句であり、相当浮いている。
歳出面で相当の割合を占める社会保障について、あり方が抜本的に問われている現状、そんな言葉が出てくる意味が不明。
今の人口ピラミッドで今の給付方法を持続すれば、世代間給付の仕組みは維持不能なのは明白である。
その中で、給付方法を変えるのか、世代間における仕組みを変えるのかは絶対言及すべきポイントであるのに、なぜそんな総花的な言葉で終わらせようとするのか。。


う~ん、本当にこれでいいのか、日本の政治!!

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