Tuesday, August 16, 2011
【旅行、趣味】 シンガポール探訪記 (2)
前回に引き続き、シンガポール訪問の感想。
シンガポールに滞在する中で、国の在り方が非常にユニークで面白いと感じた。
それを通して日本の苦境も浮かんで見えてきたので、その観点から記事をエントリーしたい。
<シンガポールの地理と産業>
シンガポールの面積は700平方km程度しかなく、東京23区とほぼほぼ同等程度である。
人口もその中に約500万人程度と相当多く、人口密度はモナコに次ぎ世界第二位とのこと。
(ちなみに東京23区は900万人程度であり、シンガポールの約2倍程度存在)
実際空港から都市部までタクシーで高速を移動すると、同じようなマンション(国営が多いらしい)が乱立しており、その狭い国土の活用を国家レベルで考えていることを実感出来る。
また、シンガポールで過ごしていると気付くのだが、ほぼ全ての人が第三次産業に関係者である。
金融関係を代表とするオフィスワーカー、レストランやバー等のサービス業、インフラ関連、などなど。
高校時代に地理でジュロン工業地帯とか習ったので、第二次産業に関わる人も一定いるのだと思うが、少なくとも肌感覚ではほとんど第三次産業関連者であろう。
(調べると、どうやら1996年時点では第二次産業が27%程度で、それ以外はほとんど第三次産業らしい。)
そう考えると、シンガポールという国はほぼほぼ東京23区をそのまま国家として独立させてしまった様な国ではないかと思えてくる。
シンガポールでは一党独裁制が確立されている模様だが、その実態も東京23区と似ている様に思える。
(しょうもない話だが、左側通行であること、料理が美味しいこと、町並みが清潔であることも似通っている。)
<日本との比較>
それを踏まえて日本という国を考えると、改めて日本という国の苦境を感じる次第である。
日本はシンガポールとほぼ同様の都市国家(もどき)の東京23区に、その他大勢を占める地方部(阪神圏や中京圏もあることにはあるが)を加えた様な国家と言うことが出来る。
その結果、極論すると国にとってはコスト対象でこそあれ納税者としての機能は期待できない高齢者や、その色が強い第一次産業就労者を数多く加えることとなってしまい、どうしてもコスト過多になってしまう。
(それでもシンガポールとほぼ同水準の一人当たりGDPを達成している日本に一定の凄さは感じるが。)
現状、日本からシンガポールへの資本/法人流出の最大要因となっている税制の差も、この必要コストの差から来ていると見るのが自然である。
上記を踏まえると、日本および東京がシンガポールと伍して勝っていく手段は相当限定的である様に思える。
コスト競争力に大きく差がある企業同士の争いを見ているのと同じ感覚である。
(しかも日本はバランスシート面でも債務過多である会社と同様。)
勝てる方法があるとすれば、
・東京以外を切り捨てる覚悟で、東京のみ独立税制を敷き、シンガポールの様な成長センター化する
→地方交付税交付金などもかなり下げるということ
・ある意味老人を切り捨てる覚悟で、国家運営必要コストをかなり下げる(年金給付減等)
・第一次産業等をハイパー付加価値化する(超高級・高品質野菜等を作って輸出する等)ことにより、プロフィットセンター化する
等が思いつくところではあるが、どれもかなり非現実的であると言わざるを得ない。。。
<個人としての選択肢>
国レベルでの対抗策という意味では相当限定的に感じるという旨は上記した通り。
その中で、個人個人としての経済面での最適解は日本を離れて、シンガポール(もしくはその他の成長国)に移住するということになるのは一定程度自然である気がする。
自分自身もシンガポールで過ごしながら、この国に住むというオプションがいかに魅力的であるか強く感じた。
何しろ税金がMaxで20%と日本の半分以下なのである。
(更に暖かくて過しやすく、物価も日本より安く、治安良く、町並み清潔で、食事も美味しいと来る。)
突き詰めると、日本への慣れや愛着といったものと、シンガポール等に住むことでの経済性のどちらを優先するかという選択になるのであろうが、自分自身はどっちなのか迷うところではある。
今すぐにそのオプションを本格検討するということはないものの、そう遠くない将来のオプションとしてはちゃんと検討したいなと思った次第である。
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